関節リウマチ

鑑別難易度

鑑別難易度疾患

1.ウイルス感染に伴う関節炎(パルボウイルス,風疹ウイルスなど)
2.全身性結合組織病(シェーグレン症候群,全身性エリテマトーデス,混合性結合組織病,皮膚筋炎・多発性筋炎,強皮症)
3.リウマチ性多発筋痛症
4.乾癬性関節炎
1.変形性関節症
2.関節周囲の疾患(腱鞘炎,腱付着部炎,肩関節周囲炎,滑液包炎など)
3.結晶誘発性関節炎(痛風,偽痛風など)
4. 血清反応陰性脊椎関節炎(反応性関節炎,掌蹠膿疱症性骨関節炎,強直性脊椎炎,炎症性腸疾患関連関節炎)
5.全身性結合組織病(ベーチェット病,血管炎症候群,成人スチル病,結節性紅斑)
6.その他のリウマチ性疾患(回帰リウマチ,サルコイドーシス,RS3PEなど)
7.その他の疾患(更年期障害,線維筋痛症)
1.感染に伴う関節炎
2.全身性結合組織病(リウマチ熱,再発性多発軟骨炎など)
3.悪性腫瘍(腫瘍随伴症候群)
4.その他の疾患(アミロイドーシス,感染性心内膜炎,複合性局所疼痛症候群など)

関節症状を主訴に受診する患者集団における頻度,RAとの症状・徴候の類似性,新分類基準スコア偽陽性の頻度などを総合して,新分類基準を用いる際にRAと鑑別すべき代表的疾患を鑑別難易度高・中・低の3群に分類した。疾患名は日本リウマチ学会専門医研修カリキュラムに準拠した。

鑑別難易度高:頻度もスコア偽陽性になる可能性も比較的高い。
鑑別難易度中:頻度は中等または高いが,スコア偽陽性の可能性は比較的低い。
鑑別難易度低:頻度もスコア偽陽性になる可能性も低い。

関節リウマチの治療

関節リウマチの治療では日常生活へのアドバイスと投薬を行います。

サプリメントや健康食品類にビタミンのひとつである葉酸が多く含まれている場合(青汁や海藻類など)は、メトトレキサートの効果を減弱させ、せっかく安定していた関節リウマチを悪化させることもあります。

関節リウマチと喫煙

喫煙で関節リウマチの発症リスクが1.5倍から8倍になります。一日の本数よりも喫煙期間の長さが関係しているようです。生物学的製剤への反応も劣ると言われています。

リウマトレックス(メトトレキサート)服用での注意事項

痰(たん)のからまない空咳、息切れ、呼吸困難感、発熱などの症状があらわれたら服用せずに、受診して下さい。

かぜ症状(のどの痛み、頭痛など)が強いとき、微熱が続くとき、38°C以上の高熱が出たとき、咳や痰の多いとき、いつもと違う息苦しさがあるとき、リンパ節の腫れ、排尿時の痛みなどの膀胱炎症状があるときには、服用を一時中止しましょう。

生ワクチン(BCG、麻疹、風疹など)は接種しないでください。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンは積極的に接種して下さい。

詳しくは資料をダウンロードして下さい。


関節リウマチでよくある質問

関節リウマチは遺伝しますか?

一卵性双生児の関節リウマチ発症確率は20%前後と考えられています。一般の人口における関節リウマチ発症頻度が0.5%ですから、一卵性双生児での発症頻度は40倍のリスクがあることになります。
親が関節リウマチの場合の子供の関節リウマチ発症リスク:3.02倍
兄弟姉妹が関節リウマチの場合の関節リウマチ発症リスク:4.64倍
親と兄弟姉妹が関節リウマチの場合の関節リウマチ発症リスク:9.31倍

 関節リウマチ発症のしやすさに遺伝的な要因があるのは確かのようですが、発症に関する要因の大部分は、喫煙を含む生活習慣などの環境要因のようです。

同じ日本人でも、アメリカ居住者は発症頻度が高いようです。

参考

ベテラン患者からあたらしい患者へのアドバイス

1. ホームドクターと専門医を持つ
2.主治医を信頼し指示に従う
3. マイペース(体調を知る、生活のテンポを遅く)
4.家族の理解を得る
5.友人と話す(病人の気持ちは病人にしかわからない)
6.周りに何もかも話してしまう
7.周囲の誘惑に惑わされない
8.副作用のおかげで現在生かされていると考える
9.気持ちの持ち方(積極性、気を長く、太っ腹で)
10.決めるのも闘うのも自分一人
11.闘うという気持ちを捨てる(病気を受け入れる)
12.目的を持つ
13.社会参加をする
14.打ち込めるものを持つ(趣味や仕事)
15.知識を知恵に変えていく 

膠原病友の会滋賀県支部10周年記念誌、京都障害者団体定期刊行物協会、1994年11月23日、p9より