腰部脊柱管狭窄症|前橋市の深沢整形外科

歩くとつらい足のしびれ、まずは保存療法から

腰部脊柱管狭窄症は、腰の神経が通る「脊柱管」が狭くなり、神経が圧迫されることで、足の痛みやしびれ、歩きにくさなどが起こる病気です。

特徴的なのは、しばらく歩くと足が痛くなったりしびれたりして歩けなくなり、少し休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行」です。前かがみになったり、座ったりすると症状が楽になることも多くみられます。

診断

当院では、まず診察と腰椎レントゲン撮影を行います。

レントゲンでは、
腰椎の変形
変形性腰椎症
腰椎すべり症
側弯
椎間板の狭小化
などがないかを確認します。

ただし、脊柱管の狭窄そのものはレントゲンだけでは十分に評価できません。症状が強い場合や手術を検討する場合などには、MRI検査が必要になることがあります。

治療

多くの場合、まず保存療法を行います。

薬物療法としては、症状に応じて、
消炎鎮痛薬
リマプロスト
牛車腎気丸などの漢方薬
などを使用します。

腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021では、NSAIDsとリマプロストは保存治療の選択肢として挙げられています。特にリマプロストは、馬尾型や混合型で下肢のしびれや歩行距離の改善が期待できるとされています。一方、漢方薬については臨床で用いられていますが、ガイドライン上は十分なエビデンスが確立しているとはいえません。

当院では物理療法として、症状に応じて低周波治療やメドマーなども行っています。

予後

腰部脊柱管狭窄症は、必ずしも徐々に悪化する病気ではありません。多くの方は急激に悪化するわけではなく、保存療法で症状が安定したり改善したりすることもあります。

保存的に経過をみた研究では、軽症から中等症の患者さんでは、数年間の経過で
改善する方:約30%
あまり変わらない方:約50〜60%
悪化する方:約10〜20%
程度とする報告があります。

Q&A

Q. どのようなときに手術を考えますか?

薬やリハビリなどの保存療法を行っても、歩ける距離が短くなったり、足の痛みやしびれが強く日常生活に大きな支障が出る場合には、手術を検討します。

また、足の筋力低下が進行する場合や、膀胱直腸障害などの強い馬尾症状がみられる場合には、より早く手術が必要になることがあります。診療ガイドラインでも、保存療法で十分な効果が得られない場合や、膀胱直腸障害などの重い神経症状がある場合は手術適応とされています。

Q. 膀胱直腸障害とは何ですか?

排尿しにくい、尿が出にくい、尿や便を我慢できない、会陰部の感覚が鈍いなどの症状です。

腰部脊柱管狭窄症では、こうした重い馬尾症状は一般的ではありませんが、出現した場合には重要なサインです。なお、高齢者では前立腺や泌尿器疾患など他の原因による排尿症状も多いため、排尿症状があるからといって必ず脊柱管狭窄症が原因とは限りません。

Q. MRIは必ず必要ですか?

必ずしも最初から必要ではありません。当院ではまず診察と腰椎レントゲンを行い、症状や経過をみてMRIが必要か判断します。

Q. 症状があっても手術しないで治療できますか?

軽症から中等症では、薬物療法や運動療法などの保存療法で改善したり、症状が安定したりする方も多くいます。急激な神経症状の悪化がなければ、まず保存療法を行うことが一般的です。