手掌異物摘出術はどのような場合に算定できるのか?

診療報酬には、K097「手掌、足底異物摘出術」があり、手掌異物摘出術は3,190点とされています。

では、手のひらに刺さった異物を取り除けば、すべて手掌異物摘出術として算定できるのでしょうか。

これは、そう単純ではないと思います。

たとえば、木の棘やガラス片などが皮膚のすぐ下にあり、局所麻酔をして皮膚を少し切開すれば容易に摘出できるような場合です。このような異物まで、すべて手掌異物摘出術として算定するのは難しく、皮膚切開術として扱うのが妥当と考えられます。

実際、東京都医師会の「開業医のための保険診療の要点」でも、手掌や足底の棘などの小異物除去について、局所麻酔を必要とする場合は皮膚切開術で請求するとされています。

一方、異物が深部に迷入しており、外から容易に確認できない場合や、画像で位置を確認したうえで、皮下組織を剥離しながら異物を探し出して摘出するような場合には、手掌異物摘出術としての算定を考えることになります。

つまり、単に「異物が手掌に存在した」というだけではなく、

・異物がある程度深部に迷入している
・画像検査などで位置の確認が必要である
・皮膚切開だけでは容易に摘出できない
・皮下組織などを剥離し、異物を探索して摘出する必要がある

といった点が、手掌異物摘出術として考える一つの目安になると思います。

もちろん、診療報酬上「何mm以上深ければよい」「必ず組織を剥離しなければならない」といった具体的な基準が示されているわけではありません。

しかし、皮膚直下にある異物を単純に切開して摘出しただけであれば皮膚切開術、深部に迷入した異物を探索し、周囲組織を処理しながら摘出したのであれば手掌異物摘出術、と考えるのが実際には分かりやすいと思います。

手掌異物摘出術を算定する場合には、異物の深さや画像所見、摘出するためにどのような操作を行ったのかを、診療録や手術記録に具体的に残しておくことが重要でしょう。

本稿は公開されている診療報酬点数表、通知、審査情報をもとにした解説です。個々の症例の算定可否は、実際の診療内容等によって判断されます。

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