ピーナッツは高カロリーなのに、なぜ意外と太らない?

ピーナッツは100gで約600kcalもあります。

数字だけを見ると、かなりの高カロリー食品です。毎日たくさん食べれば、いかにも太りそうです。

ところが、「ピーナッツを食べると太るのか」を調べてみると、意外な結果が出ています。

ナッツ類を日常の食事に加えて一定期間食べてもらった研究をまとめると、予想されるほど体重は増えていません。

なぜでしょうか。

一つの理由として考えられているのが「食欲」です。

ピーナッツには脂肪、蛋白質、食物繊維などが多く含まれ、食べると空腹感が抑えられます。

つまり、ピーナッツで300kcal摂取したからといって、それまでの食事に単純に300kcalが上乗せされるとは限りません。

ピーナッツを食べた分、その後の食事や間食が自然に減ることがあります。

これを「エネルギー補償」と呼びます。

もう一つ興味深いのが、食品に表示されているカロリーと、実際に人間が利用できるエネルギーは必ずしも同じではないということです。

ナッツの脂肪は植物の細胞の中に入っています。

よく噛んで消化しても、すべての細胞壁が完全に壊れるわけではありません。細胞内に脂肪が残ったまま便として排泄される部分があります。

そのため、ナッツ類では従来の食品成分から計算したエネルギー量よりも、実際に体内で利用されるエネルギーが少ないことが報告されています。

つまり、100gで約600kcalと表示されていても、

「100g食べたら600kcalがそのまま余分なエネルギーとして体内に蓄積される」

という単純な計算にはなりません。

さらに、粒のピーナッツはある程度よく噛む必要があります。

食べるのに時間がかかり、空腹感も抑えられるため、大量のエネルギーを短時間に摂取しやすい食品とは少し性質が異なります。

もちろん、だからといって「ピーナッツはいくら食べても太らない」ということではありません。

エネルギーを必要量以上に摂取し続ければ、体重が増える可能性はあります。

また、砂糖や油などを加えたピーナッツ菓子では、ピーナッツそのものとは栄養組成も食べやすさも変わります。細かく加工されたピーナッツバターなどでは、粒のまま食べる場合より脂肪が消化・吸収されやすくなる可能性もあります。

それでも興味深いのは、

「高カロリー食品だから、そのカロリーがそのまま上乗せされて太る」

という単純な関係ではないことです。

人間は、食べた量に応じてその後の食欲をある程度調節します。また、食品の構造によって実際に吸収できるエネルギー量も変わります。

食品成分表に書かれたカロリーは重要な数字ですが、それだけで「その食品がどのくらい太りやすいか」まで完全に説明できるわけではありません。

ピーナッツは、そのことを分かりやすく示してくれる食品の一つなのかもしれません。

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