大豆は畑の肉

大豆は昔から「畑の肉」と呼ばれています。

その理由は、植物性食品でありながら、たんぱく質を非常に多く含んでいるからです。農林水産省も、大豆について「たんぱく質や脂質をたくさん含む栄養価の高い食材」と紹介しています。

豆腐、納豆、味噌、豆乳など、日本人の食生活には昔から大豆製品が深く入り込んでいます。

なぜ「畑の肉」と呼ばれるのか

乾燥大豆には、およそ3分の1程度のたんぱく質が含まれています。

また、大豆たんぱく質には人間に必要な必須アミノ酸がバランスよく含まれており、良質なたんぱく源です。

肉や魚と違ってコレステロールを含まず、食物繊維なども摂取できるのが特徴です。一方、大豆には脂質も比較的多く含まれていますので、「低脂肪食品」というより、良質なたんぱく質と脂質を含む食品と考えた方が正確です。

農林水産省も、大豆を「豆の王様」「畑の肉」と紹介しています。

高齢者こそ、たんぱく質が重要

高齢になると、食事量そのものが減り、たんぱく質も不足しやすくなります。

たんぱく質が不足すると筋肉量が低下し、サルコペニアやフレイルにつながります。

特に高齢者では、一日の総量だけでなく、朝・昼・夕の各食事でたんぱく質を取ることが大切です。

朝食がご飯と漬物だけ、パンとコーヒーだけ、という方は珍しくありません。

私は患者さんに、

「朝食に納豆と豆腐の味噌汁を加えてみてください」

と勧めることがあります。

納豆1パックと豆腐の味噌汁なら、無理なく大豆たんぱく質を増やせます。

もちろん、肉、魚、卵、乳製品なども重要です。大豆だけを食べればよいという意味ではなく、いろいろなたんぱく源を組み合わせることが大切です。

「大豆」は大きな豆だからではない?

ところで、なぜ「大豆」と呼ぶのでしょうか。

「小豆より大きいから大豆」と思いたくなりますが、必ずしもそう単純ではないようです。

「大豆」の「大」は、大きさそのものではなく、「重要な」「代表的な」といった意味で使われたという説があります。

つまり、

「大きな豆」

ではなく、

「大いなる豆」
「代表的な豆」

という意味だった、という説です。

昔の日本人にとって、大豆は味噌、醤油、豆腐、納豆などさまざまな食品の原料となる非常に重要な作物でした。農林水産省も、大豆が古くから日本人の食生活を支えてきた重要な豆であることを紹介しています。

ただし、「大豆」という名称の語源については諸説があり、「大いなる豆」が唯一確定した語源とまでは言えません。

大豆は身近な優秀な食品

大豆は特別な健康食品ではありません。

納豆、豆腐、味噌、豆乳など、昔から日本人が普通に食べてきた食品です。

それでいて良質なたんぱく質を摂取できるため、特に筋肉量を維持したい高齢者には使いやすい食品です。

「畑の肉」という昔ながらの呼び名は、現在の高齢社会でもなかなか的を射た表現だと思います。

朝食のたんぱく質が少ない方は、まず納豆や豆腐を一品加えるところから始めてもよいでしょう。

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