木片やトゲなどが皮膚に刺さり、先端まで皮膚の中に埋まってしまうことがあります。
トゲの先端が皮膚の外に出ていれば、鑷子(ピンセット)でつまんで抜くことができます。しかし、皮膚の中に完全に埋まっていると、つまむところがありません。
早く摘出する必要がある場合や、深く刺さっている場合には、局所麻酔をして皮膚を小さく切開し、異物を摘出することがあります。
一方、皮膚のごく浅いところにあるトゲで、感染などの問題がなく、急いで摘出する必要がない場合には、当院では別の方法を試みることがあります。
スピール膏を小さく切って貼り、数日待つ方法です。
スピール膏に含まれるサリチル酸には、皮膚の角質を軟らかくして剥がれやすくする作用があります。トゲそのものを溶かすわけではありませんが、トゲの上を覆っている角質が軟らかくなることで、埋まっていたトゲの先端が出てきたり、摘出しやすくなったりすることがあります。
最近も、皮膚の中にトゲが埋まって先端をつまめない患者さんが受診されました。スピール膏を貼って経過をみたところ、翌日には表面の角質が軟らかくなり、約1cmのトゲを摘出することができました。
以前、転倒した際に植物のトゲが多数刺さった子どもを診察したことがあります。
当時はこの方法を使っていなかったため、一本一本、異物鑷子で摘出しました。今なら、浅く埋まったトゲについては、状態によって角質を軟らかくしてから摘出する方法も選択肢になると思います。
ただし、スピール膏は本来、魚の目、たこ、いぼなどの治療に使用する薬剤で、皮下異物の摘出を目的とした薬ではありません。
また、すべてのトゲに適した方法でもありません。
深く刺さった異物、強い痛みや腫れがある場合、化膿している場合、木片などが残っているかどうか分からない場合などには、切開による摘出や画像検査が必要になることがあります。
「トゲが見えないから取れない」と無理に皮膚を掘るよりも、表在性で急ぐ必要がなければ、少し待って摘出しやすい状態にしてから取るという方法もあります。

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