野生動物にも変形性関節症はある?

野生動物にも変形性関節症(OA)はあるのか、少し調べてみました。結論からいうと、野生動物にもOAは普通にみられるようです。したがってOAは、肥満や運動不足、長寿などによって生じる人間だけの「文明病」というわけではありません。加齢に加え、長年の反復荷重、関節の形態、過去の外傷などによって、自然界でも発生します。

興味深いのは、OAの起こりやすい関節が動物によって違うことです。霊長類では肩や肘、手指など、野生馬では球節(中手指節関節)、食肉類や海獣では顎関節などにもOAが報告されています。また多くの動物で脊椎の変形性変化がみられます。つまり、人間で膝や股関節、手指にOAが多いのと同じように、その動物が「移動する」「体重を支える」「餌をとる」といった動作で繰り返し使う関節に変化が現れやすいようです。

ただし、野生動物のOAの頻度を人間と単純に比較することはできません。研究の多くは博物館などに保存された骨格標本を調べたもので、軟骨だけに変化がある初期のOAは分かりません。また、重いOAになって移動能力や採餌能力が低下した野生動物は、捕食されたり餓死したりして長く生存できない可能性があります。そのため、野生動物では重症OAそのものが少なく見えている可能性もあります。

こうしてみると、OAは「年を取った人間に起こる病気」というより、関節を長年使い続ける脊椎動物に起こりうる現象と考えた方がよさそうです。そしてOAがどの関節に現れるかは、その動物の骨格、移動様式、体重支持、摂食方法などを反映しているのでしょう。人間で膝、股関節、脊椎、手指などにOAが多いことも、二足歩行や手の機能、さらに生活環境を含めて考えると、なかなか興味深いものがあります。

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