手指の変形性関節症は、DIP関節、PIP関節、母指CM関節に多くみられます。一方、指の付け根にあるMP関節には比較的少なく、通常の加齢性OAでMP関節が強く障害されることは多くありません。ただし、MP関節に力がかからないわけではなく、把持動作では相当の負荷を受けています。
MP関節は、中手骨頭が大きく丸みを帯び、屈伸だけでなく外転・内転やわずかな回旋も可能です。運動に伴って関節面の接触部位が移動するため、同じ狭い場所に負荷が集中しにくいと考えられます。また、側副靱帯、掌側板、矢状索、骨間筋、虫様筋などによって、多方向から安定化されています。
これに対してDIP・PIP関節は蝶番関節に近く、小さな関節面の比較的限られた部分に、腱の張力や把持時の力が繰り返し加わります。さらに、ヘバーデン結節やブシャール結節の形成には、関節軟骨だけでなく、側副靱帯や腱付着部などの関節周囲組織も関係すると考えられています。ただし、なぜOAがDIP・PIP関節に集中し、MP関節には少ないのか、その機序が完全に解明されているわけではありません。
したがって、MP関節にOAが少ない理由は、単に「使われないから」ではなく、関節面が比較的大きく、運動に伴って接触部位が変化することや、靱帯・筋腱による安定化機構などが関係していると考えるのが妥当です。なお、MP関節にもOAは生じますが、DIP・PIP関節に比べると少数です。外傷後や、長期間にわたり強い把持動作を繰り返した症例などで報告されていますが、職業負荷との因果関係は十分に確立していません。

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