指の「第1関節」はどこ?国によって違う指関節の呼び方

日本では一般に、指先に近いDIP関節を「第1関節」、中央のPIP関節を「第2関節」、付け根のMP関節を「第3関節」と呼ぶことがあります。しかし、これは正式な解剖学用語ではなく、指先から順番に数えた日常的な呼び方です。

医学的には、DIP関節(遠位指節間関節)、PIP関節(近位指節間関節)、MP関節またはMCP関節(中手指節関節)と呼びます。

英語にも、日本語の「第1関節」「第2関節」にそのまま対応する統一された番号呼称はありません。患者さんへの説明では、DIP関節を“the joint closest to the fingertip”、PIP関節を“the middle joint”、MCP関節を“the joint at the base of the finger”などと表現すれば分かりやすいでしょう。医学的には、曖昧なfirst joint、second jointではなく、DIP、PIP、MCPという名称を使います。

興味深いことに、中国本土では日本とは反対の数え方をする一般向けの医学解説がみられます。手掌側から指先に向かって、掌指関節(MCP)を「第一关节」、近端指间关节(PIP)を「第二关节」、远端指间关节(DIP)を「第三关节」とする呼び方です。

ただし、これも正式な解剖学用語ではありません。医学文書では、掌指关节、近端指间关节、远端指间关节という名称が使われます。したがって、中国で「第一关节」と言われた場合には、日本でいう指先のDIP関節ではなく、指の付け根のMCP関節を意味している可能性があります。

台湾では、指の「節」を指先側から数える公的な規定があります。たとえば台湾内政部の基準には、「手指第一節係從遠心端計算」と明記されています。ただし、これは指の欠損などを判定する際の「指節」の数え方であり、「第一關節」をDIP関節と定義したものではありません。

つまり、「第1関節」という呼び方は、国や言語が変われば同じ場所を指すとは限りません。

国を越えて正確に伝えるためには、「第1関節」「第2関節」という番号ではなく、DIP関節、PIP関節、MCP関節という正式な解剖学的名称を使うのが確実です。

ヘバーデン結節はDIP関節、ブシャール結節はPIP関節。

普段何気なく使っている「第1関節」「第2関節」という言葉も、実は万国共通ではないのです。

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