患者さんから「○○病院を受診したいので紹介状を書いてほしい」と希望された場合、診療情報提供料(Ⅰ)は算定できず、自費の文書になるという考え方を聞くことがあります。
しかし、診療情報提供料(Ⅰ)の算定要件を読む限り、「患者希望による紹介は算定できない」とは書かれていません。
算定要件は、診療に基づき、他の保険医療機関等での診療の必要性等を認め、患者に説明し、その同意を得て、診療状況を示す文書を添えて紹介した場合、というものです。
したがって、患者さんから紹介希望があったこと自体が問題なのではなく、最終的に医師が、他院で診療を受けることが必要または妥当と判断して紹介したかどうかが重要だと思います。
例えば、患者さんが大学病院での診療を希望した場合でも、現在の症状や治療経過、希望する診療内容などを踏まえて、医師が大学病院を受診することが妥当と判断して紹介するのであれば、通常の診療情報提供と本質的には変わりません。
一方、医師としては他院受診の必要性や妥当性を認めておらず、単に患者さんから「これまでの診療内容を書いた文書がほしい」と依頼されただけであれば、診療情報提供料(Ⅰ)の算定要件を満たすとは言いにくいでしょう。
つまり、
「患者希望か、医師から勧めた紹介か」
で分けるのではなく、
「医師が診療上の紹介として必要または妥当と判断したか」
で考えるのが自然だと思います。
厚生局が公表している個別指導等の主な指摘事項も確認しましたが、「患者希望による診療情報提供書は診療情報提供料(Ⅰ)を算定できない」という指摘は、私が確認した範囲では見当たりませんでした。
一方で、厚生局は、紹介先の医療機関を特定せず、単に診療状況を記載した文書を患者に交付したものについては、診療情報提供料(Ⅰ)の算定は不適切と指摘しています。これは、「紹介状」である以上、紹介先を特定し、診療上の紹介として行われていることが必要だということだと思います。

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