エクエルは、大豆由来のS-エクオールを1日量10mg含む食品です。更年期女性の症状や骨代謝などを対象とした研究が多いため、「女性向けのサプリメント」という印象があります。
しかし、メーカーによれば男性が摂取すること自体は可能とされています。
ただし、「男性も飲める」ということと、「男性に効果がある」ということは別に考える必要があります。
エクオールとは
エクオールは、大豆イソフラボンの一種であるダイゼインが腸内細菌によって代謝されてできる物質です。
エストロゲン受容体、特にβ受容体に比較的強く作用することが知られています。また、ジヒドロテストステロン(DHT)の作用に影響する可能性も指摘されており、前立腺や男性型脱毛症など男性特有の問題との関連も研究されています。
そのため、「女性だけに関係する成分」というわけではありません。
男性の前立腺には効果があるのか
エクオールについては、前立腺に対する作用が動物実験や細胞実験で研究されています。
また、大豆やイソフラボンを多く摂取する集団では前立腺癌が少ないのではないか、あるいはエクオールを産生できる人とできない人で前立腺疾患のリスクが異なるのではないか、といった研究も行われています。
しかし、ここで注意が必要です。
「大豆を摂取すること」
「腸内でエクオールを作れること」
「エクオールのサプリメントを摂取すること」
は同じではありません。
現在のところ、エクエルを男性が服用することによって前立腺癌を予防できる、あるいは前立腺疾患を治療できることが臨床試験で確立しているわけではありません。
男性ホルモンへの影響は
健康な日本人男性に大豆イソフラボンを一定期間摂取させた小規模研究では、血中DHTや遊離テストステロンが低下したとの報告があります。
これは興味深い結果ですが、エクエルそのものを投与した研究ではありません。
また、ホルモン値が変化したことと、
「前立腺肥大が改善する」
「男性型脱毛症が改善する」
「何らかの症状がよくなる」
ということも同じではありません。
現時点では、男性ホルモンへの影響が示唆されている段階と考えた方がよいでしょう。
男性型脱毛症には効くのか
DHTは男性型脱毛症(AGA)に深く関係しています。
そのため、エクオールがDHTの作用に影響するのであれば、AGAにも何らかの効果があるのではないかという考え方はあります。
しかし、男性のAGA患者を対象に、エクエルによって発毛や脱毛の進行抑制が明確に確認された大規模臨床試験はほとんどありません。
したがって、現時点でAGA治療としてエクエルを勧められるだけのエビデンスはありません。
AGAについては、フィナステリドやデュタステリドなど、効果が確認された治療薬とは区別して考える必要があります。
肥満やメタボには効果があるのか
エクオールや大豆イソフラボンについては、肥満、脂質代謝、糖代謝、メタボリックシンドロームなどを対象とした研究もあります。
これらの研究には男性が含まれていることもあります。
しかし、男性だけを対象としてエクオール10mg/日の有効性を明確に証明した大規模試験は乏しく、「男性のメタボ対策としてエクエルが有効」とまでは言えません。
女性に比べて男性の研究は少ない
エクオール研究の中心は、これまで閉経後女性でした。
更年期症状、骨代謝、皮膚、血管などについては比較的多くの研究があります。
一方、男性については、
前立腺
男性ホルモン
脱毛
肥満・代謝
などへの作用が研究されていますが、女性ほど臨床研究が蓄積されていません。
そのため、男性に対する評価はどうしても慎重になります。
男性が飲んでもよいのか
男性がエクエルを摂取すること自体は可能です。
ただし、
「飲んでもよい」
ことと
「飲めば特定の症状が改善する」
ことは別です。
前立腺癌の予防、前立腺肥大症、AGA、男性更年期、メタボリックシンドロームなどに対する明確な治療効果は、現時点では確立していません。
したがって、男性が何らかの疾患を治療する目的でエクエルを使用する場合には、「有効性はまだ十分には分かっていない」という前提で考える必要があります。
まとめ
エクエルは女性専用の食品ではなく、男性も摂取できます。
エクオールにはエストロゲン受容体βへの作用や、DHTなどアンドロゲン作用への影響が示唆されており、前立腺、男性型脱毛症、代謝などへの応用が研究されています。
しかし、男性を対象とした臨床研究はまだ少なく、
「男性が摂取してもよいが、男性の特定の症状や疾患に有効であることはまだ確立していない」
というのが、現在のところ最も妥当な結論だと思います。

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