整形外科専門医

整形外科専門医とは

包帯を巻く写真

整形外科専門医は、運動器に関する科学的知識を備え、高い診療実践能力を有する医師です。
整形外科専門医になるには、6年間の医学部カリキュラムを修了し、医師国家試験合格後6年間の研修が必要です。

整形外科の歴史は古く、江戸時代の接骨医が明治になり医術開業試験等をへて医師となり、現代の整形外科医にその技術が伝承されています。

江戸時代の高名な接骨医名倉家の子孫は整形外科医です。Wikipedia

形成外科とは(整形外科と形成外科の違い)

身体外表に現れた欠損、変形、醜状などを手術します。多くが保険適応です。
一部整形外科と重なる疾病があります。
熱傷、顔面骨骨折、顔面軟部組織損傷、唇裂、口蓋裂、母斑、血管腫、褥創、瘢痕拘縮、肥厚性瘢痕、ケロイド、手足の先天奇形、小耳症、腋臭症などを扱います。

美容外科とは(整形外科と美容外科の違い)

美容目的での手術です。保険が適応されず、自費診療になります。
二重まぶた、しわ・たるみ取り、隆鼻術、豊胸術などをおこないます。

外科とは(整形外科と外科の違い)

内臓や肛門疾患(痔)、静脈瘤などの手術をおこないます。
心臓血管外科、呼吸器外科、消化器外科などがあります。

接骨院とは(整形外科と接骨院の違い)

骨折・脱臼・打撲・捻挫の施術を行います。
施術対象は受傷機転の明らかな新鮮外傷です。(元々は受領委任払いを認める根拠になっていました)
オスグッド病や、テニス肘などのスポーツ障害は含まれません。
骨折・脱臼に関しては応急処置の場合を除き医師の同意が必要になります。
同一外傷では、接骨院の施術と医師の治療の併用は認められておりません。また、健康保険法第87条では、やむを得ない場合に限られております。

保険医療機関(病院、診療所など)で同じ負傷等の治療中は、施術を受けても保険等の対象になりません。(厚生労働省HP

保険者は、療養の給付等を行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等以外の病院、診療所、薬局その他の者から診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、保険者がやむを得ないものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる。
健康保険法第八十七条(療養費)

なお、受傷から3ヶ月を越える施術は認められておりませんのでご注意下さい。

その施術の対象ももっぱら骨折、脱臼の非観血的徒手整復を含めた打撲、捻挫など新鮮なる負傷に限られているのであります。柔道整復師法提案理由(昭和43年)小沢(辰)議員
厚生労働省が国会答弁も含めて、慢性期の施術を認めたことはありません。

基本的にはケガをしたら整形外科を受診して下さい。全日本柔道連盟の柔道の安全指導(救急マニュアル)にもケガをしたら医師の診察をうけるよう記載されています。

医業類似行為とは

マッサージ、指圧、整体、カイロプラクティック、接骨院などを指します。
鍼、灸、マッサージ、柔道整復師などは法律で認められています。
しかし、行えるのは施術で、治療や問診、診察、休診などの医業と誤解を与える表現はしてはいけません。
また、治療院や整骨院等の表現も法律に抵触する恐れがあると言われています。
カイロプラクティックには施術してはいけない疾患があります。

椎間板ヘルニア、後縦靱帯骨化症、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、骨粗鬆症、環軸椎亜脱臼、不安定脊椎、側弯症、二分脊椎症、脊椎すべり症などなど明確な 診断がなされているものについては、本療法の.対象とすることは適当ではないという厚生省通達(当時)がなされています。(平成3 年6月28日 医事第58号)

医業類似行為にも危険があります。
手技による医業類似行為の危害  国民生活センター
医業類似行為に係わる報告 日本臨床整形外科学会

施術での事故や、単純な骨折の見逃しも多いようです。癌の転移や悪性腫瘍の見逃しもあるので、必ず整形外科を受診してください。下記の2例は骨肉腫の診断が遅れ亡くなられています。

長女 祐子へ 骨肉腫の診断が遅れたケース1 ちゃんの闘病記録 
天使になったチアリーダー 骨肉腫の診断が遅れたケース 2

医療法人桐の葉会 深沢整形外科
TEL 027-220-5277