筋肉内異物摘出術はどのようなケースで算定できるのか?

診療報酬には、K029「筋肉内異物摘出術」という手術があります。

令和8年度の診療報酬点数表では3,440点とされています。

では、異物の一部でも筋肉内に入っていれば、筋肉内異物摘出術として算定できるのでしょうか。

診療報酬点数表には「筋肉内異物摘出術」と記載されていますが、異物が筋肉内のどの程度の深さに存在すればよいのか、あるいは筋線維をどの程度剥離すればよいのかといった具体的な基準までは示されていません。

しかし、名称から考えれば、単に皮下の異物の一部が筋肉に接している、あるいは先端がわずかに筋肉内に達しているというだけで、すべて筋肉内異物摘出術として算定できると考えるのは難しいと思います。

基本的には、

・異物の主たる部分が筋肉内に存在している
・異物を摘出するために筋膜を開け、筋肉内を展開する必要がある
・筋線維を分ける、あるいは剥離するなど、筋肉内での手術操作を要する

といったケースが、筋肉内異物摘出術として理解しやすいと思います。

一方、異物の大部分が皮下にあり、容易に摘出できたものについては、異物の先端が一部筋肉に達していたというだけで筋肉内異物摘出術を算定するのは慎重に考えた方がよいでしょう。

結局のところ、「異物が筋肉に少し入っていたかどうか」だけではなく、異物の主な存在部位と、実際にどのような手術操作を行ったかが重要だと思います。

なお、診療報酬上、筋肉内異物摘出術についてこの境界を明確に規定した通知等は確認できません。そのため、算定する場合には、画像所見や手術記録に、異物が筋肉内に存在していたこと、筋肉内でどのような操作を行って摘出したのかを具体的に残しておくことが重要でしょう。

本稿は公開されている診療報酬点数表、通知、審査情報をもとにした解説です。個々の症例の算定可否は、実際の診療内容等によって判断されます。

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