「一度切れたアキレス腱は、治ったあとにもう一度切れることはないのでしょうか?」
アキレス腱断裂の治療中、まだ十分に治っていない時期に再断裂することはあります。しかし、いったん治癒して日常生活やスポーツに復帰し、1年以上経過してから同じアキレス腱が再び断裂することは、かなり少ないようです。
ただし、まったく起こらないわけではありません。初回のアキレス腱断裂から数年たって再び同じ側を断裂した症例なども報告されています。
治ったアキレス腱は太くなる
アキレス腱断裂が治ったあとに超音波(エコー)で観察すると、正常側よりかなり太くなっていることがよくあります。
長期に観察した研究でも、断裂したアキレス腱は数年たっても正常側より太い状態が続いています。また、手術後平均11年経過した患者さんを調べた研究では、超音波で正常側とほぼ同じ状態に戻っていたのは60人中4人だけでした。
つまり、外見上は治っていて普通に歩いたりスポーツをしたりできるようになっても、アキレス腱の内部まで元の正常な状態に戻っているわけではありません。
「太くなったから丈夫になった」とは限らない
断裂後のアキレス腱には、腱の肥厚だけでなく、腱の延長や内部の線維配列の乱れなどが残ることがあります。
そのため、
「一度切れたアキレス腱は太くなって、以前より丈夫になるから二度と切れない」
と考えるのは正確ではありません。
太くなっていることと、正常なアキレス腱より強くなっていることは別の問題です。
それでも、治癒後の再断裂はかなり少ない
一方、実際の診療では、十分に治癒して長期間経過したアキレス腱が同じ場所でもう一度断裂することは、それほど多くありません。
アキレス腱の「再断裂」として報告されるものの多くは、受傷後数週から数か月程度の、まだ治癒途中の時期に起こっています。
したがって、
「治ったアキレス腱は二度と切れない」
とは言えませんが、
「十分に治癒して1年以上経過した後の同側再断裂はかなりまれ」
というのが実際に近いと思います。
一度切れた腱が正常な腱に戻るわけではありませんが、しっかり治癒したあとまで再断裂を過度に心配する必要はないでしょう。

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