ガングリオンは放っておいても治る?

外来でガングリオンの患者さんから、「放っておいて治ることはありますか?」と聞かれることがあります。

結論からいうと、ガングリオンは自然に消えることがあります。

成人の手関節ガングリオンについては、治療せずに長期間経過をみた研究があります。

手関節背側ガングリオンを平均約6年間追跡した研究では、無治療でも自然に消失した症例が相当数ありました。また、手関節掌側ガングリオンを5年間追跡した研究でも、無治療39例中20例、約半数が自然消失していました。

これらの研究から、成人の手関節ガングリオンは、治療をしなくても長期的には半数前後が自然に消失する可能性があると考えられます。

小児では、さらに自然消失しやすいようです。

2023年に報告された前向き研究では、小児の手および手関節ガングリオン99個を無治療で経過観察したところ、62個(62.6%)が自然消失していました。

部位によって差があり、手関節のガングリオンでは55.4%、手指や腱鞘部を含む手のガングリオンでは84.0%が自然消失していました。

自然消失するまでの平均期間は14.1か月で、自然に消えるものの多くは2年以内に消失していました。

つまり、ガングリオンができたからといって、必ず穿刺したり手術したりしなければならないわけではありません。

ただし、「自然に治ることがある」というのは、「数週間待てばすぐに消える」という意味ではありません。成人の自然経過についての研究は数年間にわたって観察したものですし、小児でも平均1年以上かかっています。

そのため私は患者さんには、

「ガングリオンは放っておいても自然に消えることがあります。成人でも長い目でみれば半数前後、小児では6割程度が自然に消えるという報告があります。ただし、すぐに消えるとは限りません」

と説明するのがよいと思います。

痛みや神経症状などがなく、診断に問題がなければ、まず経過をみることもガングリオンの治療選択肢の一つです。

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