小指はなぜ小さい? 小さくても握力には大きな役割

私が子供の頃、「妖怪人間ベム」というアニメがありました。ベム、ベラ、ベロは指が3本で、「早く人間になりたい」と願っています。

改めて人間の手を見ると、5本ある指の中で小指だけがずいぶん小さいことが気になります。

小指はなぜこんなに小さいのか。そして、小さいことに何か意味があるのか。少し調べてみました。

小指は短く細い指ですが、小指側の手には興味深い特徴があります。

示指・中指側の手根中手関節は比較的しっかり固定されていますが、第4・5手根中手関節はそれよりも可動性があります。そのため、環指・小指側を手掌側へ折り込むように動かして、手のひらをカップ状にすることができます。

コップやボール、工具の柄などを包み込むように握るときには、この小指側の柔軟性が役立ちます。

ただし、「小指が小さいのは、手のひらをカップ状にするため」とまで単純に説明することはできないようです。小指の大きさや形は進化の過程で形成されたものですし、「なぜ小さいのか」に一つの機能的な理由を当てはめるのは難しいでしょう。

一方、小指が小さいからといって、働きまで小さいわけではありません。

手外科の先生には常識かもしれませんが、私は改めて調べてみて、小指を使えないようにすると握力が平均33%低下したという報告があることを知りました。環指と小指の両方を使えなくすると、握力の低下はさらに大きくなります。

ここで思い出したのが「巨人の星」です。

大リーグボール3号を開発するきっかけになったのは、小指を負傷して動かせなくなった京子という女性が、新幹線の中で左門豊作に投げたリンゴでした。左門がうまく受け取れなかったのを見て、星飛雄馬が「力のない球」のヒントを得ます。

もちろん漫画の設定ですが、小指が使えないと手全体で発揮できる力が大きく低下するという点は、意外にも実際の研究結果と重なるところがあります。

精密な動作では母指・示指・中指が目立ちますが、物を包み込むように握ったり、強い握力を発揮したりする場面では、環指・小指側も重要な役割を担っています。

小指は5本の中で最も小さい指です。

しかし、「小さい指だから役割も小さい」というわけではありません。普段あまり意識することのない小指ですが、実は手の機能を支える、見た目以上に重要な指のようです。

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