膝蓋骨骨折は関節内骨折ですが、手術を行ったからといって、すべて「関節内骨折観血的手術」で算定できるわけではありません。
通常の膝蓋骨骨折では、K046「骨折観血的手術」で算定するのが基本と考えます。
たとえば、横骨折や粉砕骨折に対して、ワイヤー、スクリュー、プレートなどを用いて骨折部を整復・固定する一般的な手術では、膝蓋骨そのものの骨折を固定することが手術の主体です。この場合は、膝蓋骨が関節内骨だからという理由だけで、K073「関節内骨折観血的手術」とするのは難しいと思います。
一方で、関節面そのものの陥没や段差を整復することが手術の中心となる症例では、事情が異なるのではないでしょうか。
たとえば、膝蓋骨の関節面側だけが陥没しているような骨折で、陥没した関節面を挙上し、透視や直視下で関節面の適合性を確認しながら整復し、必要に応じて骨移植や内固定を行うような場合です。
このような手術では、単に「膝蓋骨を固定した」というより、「膝関節の関節面を再建した」という性格が強くなります。
私は、このような症例ではK073「膝関節内骨折観血的手術」を検討できる余地があるのではないかと考えています。
問題は、どこからが「関節内骨折観血的手術」になるのかです。
単に骨折線が関節面に及んでいるだけでは不十分で、実際に関節面の段差や陥没を整復し、その適合性を確認する操作を行っていることが重要だと思います。
また、関節包を切開して関節面を直接露出することが、必ずしも絶対条件とは限らないのではないでしょうか。透視を用いて関節面の整復状態を正確に確認しながら整復・固定する手術であれば、関節包を大きく切開していなくても、実質的には関節内骨折の整復手術と考えられる場合があると思います。
そのため、K073を算定する場合には、手術記録に、
・関節面の陥没や段差があったこと
・関節面の整復を目的としたこと
・陥没部を挙上したこと
・透視または直視で関節面の適合性を確認したこと
・必要に応じて骨移植や内固定を行ったこと
などを具体的に記載しておくことが重要です。
まとめると、
通常の膝蓋骨骨折の整復固定
→ K046 骨折観血的手術が基本
関節面の陥没・段差を整復し、関節面再建そのものが手術の中心
→ K073 関節内骨折観血的手術を検討し得る
という整理になるのではないかと思います。
ただし、膝蓋骨骨折に対するK073の適用を個別具体的に示した通知は、私が確認した範囲では明確ではありません。最終的には、骨折型と実際の手術内容から判断されることになると思います。
本稿は公開されている診療報酬点数表、通知、審査情報をもとにした解説です。個々の症例の算定可否は、実際の診療内容等によって判断されます。

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